レーザーテックの企業研究:売上・年収・特徴

会社概要

レーザーテック 企業研究

レーザーテックは1962年に設立された、半導体関連装置を製造する装置メーカーです。フォトリソグラフィー工程で使用されるフォトマスク・マスクブランクスの検査装置で高シェアを有しています。

売上高1528億円(2023年6月期)、年収1448万円(2022年6月期)の超高収益・高年収企業です。

レーザーテックの求人情報

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エンジニア

沿革

レーザーテック 企業研究

1960年、レーザーテックは「有限会社東京ITV研究所」として設立されました。1975年、世界初となる「LSIフォトマスク・ピンホール検査装置」を開発・発売し、半導体業界に本格的に参入しました

続く1976年には、世界初となる「フォトマスク欠陥検査装置」を発売しました。それまでは人力検査が当たり前だった検査工程を自動化し、業界内でその名が知られるようになりました。

1985年には、世界初「走査型カラーレーザー顕微鏡」を開発・発売しています。高解像度のカラー観察及び3次元測定を実現し、半導体メーカーのみならず幅広い企業に販売されました。

1986年、中核技術である「レーザー」を社名の前面に押し出した「レーザーテック株式会社」に社名を変更しています。

2017年には世界初となる、EUV光を用いた「EUVマスクブランク欠陥検査/レビュー装置」を発売しました。続く2019年、EUVを用いた世界初「EUVパターンマスク欠陥検査装置」を発売し、世界シェア100%を達成しました。

フォトマスク・マスクブランクスの検査装置に強みを持ち、今後需要が伸びるであろうEUV用マスクブランクス・パターンマスク検査装置で業界のトップを走っている企業と言えます。

主要事業:フォトマスク関連の欠陥検査装置製造・販売

レーザーテック 企業研究

半導体デバイス製造工程におけるフォトリソグラフィー工程では、必ず「フォトマスク」を使用します。

フォトマスクとは「高純度石英ガラス上に、半導体デバイスの回路パターンを形成した透明な基板」のことです。フォトリソグラフィーではパターンを原版として、チップに回路が刻まれます。パターン形成前の石英基板(石英基板上に金属膜と感光膜を塗布したもの)はフォトマスクブランクスまたは単にブランクスと呼びます。

レーザーテックは「フォトマスク・マスクブランクスを検査する装置」を開発・販売しています。回路の原版となるフォトマスクやブランクスにダスクの付着や傷、凹凸が存在すると、回路が正しく刻まれず、不良品が大量に生じてしまいます。フォトマスク・ブランクスの重大な欠陥(キラー欠陥)を高感度に検出し、半導体製造工程の歩留まりを向上させるのがレーザーテックの検査装置の役割です。

フォトリソグラフィー工程とは

製品ラインアップ

レーザーテックはマスクブランクス・マスク作成(マスクショップ)・デバイス製造工程(ウェハファブ)で様々な製品をラインアップしています。

  • マスクブランクス欠陥検査装置/レビュー装置
  • 光マスクブランクス、EUVマスクブランクス、サブストレート(マスクブランクスを作る前のガラス基板)の欠陥検査装置。数nmサイズの欠陥や傷を高感度・高スループットで検査する。

  • パターンマスク検査装置
  • パターン付フォトマスク・EUVマスクの欠陥検査装置。初期状態のマスクパターンと、露光後のマスクパターンを比較し、マスクの異物を検出する機能などを搭載する。

  • マスクエッジ検査装置
  • フォトマスク・EUVマスクのエッジ部(サイド面・ベベル面)に特化した欠陥検査装置。

  • EUVマスク裏面検査/クリーニング装置
  • EUVマスクの裏面の異物を検査し、除去する装置。EUV露光ではマスク保持のため静電チャックが必要となり、裏面に異物が付着しているとマスクが歪んで露光パターンに位置ずれが生じる。これを防止する装置。

フォトマスクの製造~ウェハファブでの使用まで一貫した検査装置を持っているため、半導体需要・ウェハファブの増加に伴い、今後も検査装置の受注増が期待出来ます。

また、フォトマスクでで培った技術を生かし、シリコンウェハの検査装置や、SiC・GaNなどの化合物半導体の欠陥検査・エッジ検査装置も販売しています。

半導体デバイス製造工程とは

半導体関連装置の売上

レーザーテック 企業研究

レーザーテックには大きく分けて以下の3つの事業分野があります。

  • 半導体関連装置
  • その他装置(FPD関連装置、レーザー顕微鏡など)
  • サービス(装置の保守など)

このうち、売り上げの約85%を「半導体関連装置」が占めます(2023年6月期)。すなわち、半導体関連装置の開発・製造・販売がレーザーテックの主要事業と言えます。

レーザーテックの強み:EUV関連装置

レーザーテック 企業研究

レーザーテックは「EUVリソグラフィー用のEUVマスク関連装置」に強みを持ちます。

EUVリソグラフィーとは「極端紫外線といわれる非常に短い波長(13.5nm)の光を用いるリソグラフィ技術のこと」です。従来のArFエキシマレーザー光(波長193nm)を用いたリソグラフィに比べ、より微細なパターンを形成できる方法です。

レーザーテックは「EUVリソグラフィー用のEUVマスク関連装置」に強みを持ちます。従来のリソグラフィ同様、EUVリソ用のマスクブランクス製造・マスク製造・半導体デバイス製造のすべての工程でマスク用の検査装置を有しています。特に、EUV光源を使ったマスク欠陥検査装置で100%のシェアを握っています。

下図はEUV露光装置のシェア100%を有するASML(オランダ)によるEUV露光の成長性予測です。

レーザーテック 企業研究

ASMLによれば、低NA EUV露光装置は2025-2026年に年間90台、最大3倍に増台・成長するとされています。また、高NA EUV露光装置は2027-2028年より、年間20台以上のペースで成長すると見込まれています。

すなわち、先端半導体製造においてEUV露光が増加すれば、EUVマスク関連装置で高シェアを有するレーザーテックの売上・収益も増加することが大いに期待できます。

開口数(NA)とは何か

業績

レーザーテック 企業研究

レーザーテックの売上高は1528億円と過去最高を記録しています(2023年6月期)。売上高成長率は51.8%(5年平均)と、マスク関連装置の高シェア×半導体業界の成長のシナジー効果で、急激に売上高を伸ばしています。

営業利益成長率は67.6%(5年平均)、営業利益率は40.8%と超高収益企業です。

レーザーテックの年収

レーザーテック 企業研究

レーザーテックの年収は1448万円(2022年6月期)と、超高年収企業です。2022年度の比較では、電気企業業界246社中3位、全上場企業3736社中19位となっています。

日本トップクラスの高年収企業であり、今後も半導体市場の成長に合わせ、年収も増加することが期待できるでしょう。

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