【厳選】半導体の学習におすすめの本・参考書
半導体業界に携わる専門家の目線から選んだおすすめの本・参考書をご紹介します。目次やサンプルページ(1枚のみ)を掲載し、本の構成をイメージできるようにしています。
サンプルページの掲載に問題がある著者の方は、お問い合わせからご連絡ください。書評依頼もお受けしております。
おすすめ参考書
「会社に入って初めて半導体に携わる人」にオススメする本です。半導体の基礎、半導体デバイス、製造工程など、一冊で網羅的に学べます。
1つのトピックスが見開き1ページで解説されており、左側が文章・右側がイラストになっています。専門用語が少なくイラストも多いため、初心者でも視覚的に理解することが出来ます。
化学の基礎知識がない方にもオススメですが、本の後半に行くにつれて難易度上がるため、全部を理解するのは難しいでしょう。化学の知識がある方は1冊を通して適切な難易度で理解できます。
- 半導体とは何か
- 半導体デバイスの誕生
- 半導体集積回路と製造技術
- オプトエレクトロニクス
- エネルギー変換技術
- 半導体の最新動向
「半導体業界への就職・転職をしたい人は読まなきゃ損」な1冊。
半導体業界研究に始まり、プロセスの原理と市場動向が工程ごとに解説されています。市場規模・各社シェア・技術の最新動向までこれ1冊で学べるため、業界研究したい方には必須の1冊。
営業・データサイエンティスト・商社の1日のスケジュールなど、半導体業界で働くことがイメージできるコンテンツもあり、半導体業界の具体的な業務内容を理解できる1冊です。
- 半導体・半導体製造装置業界の現状
- 半導体製造プロセスの概要
- 成膜装置・エッチング装置の市場と技術動向
- 洗浄装置・CMP装置の市場と技術動向
- 後工程装置の市場と技術動向
- 検査装置の市場と技術動向
- 半導体材料の市場と技術動向
- 半導体製造装置業界の業務
- 半導体メーカーと半導体商社
- 半導体業界の将来性
「半導体業界関係者が読むと理解が深まる」1冊。単純な技術書にとどまらない、半導体工場を知れる良書です。
イラストを交えた製造工程の基本的な解説はもちろん、「超純水の製造方法」や「ICの原価率」など知っていると実務で生きる細かな情報が多数盛り込まれています。
半導体業界関係者や就職希望者は読むと仕事の理解が一層深まるでしょう。
- 半導体工場の敷地内を歩いてみると
- ICはこうして作られる
- ICづくりを支える裏方プロセスを追う
- 原材料や機械・設備について知っておこう
- 検査でのミス発見法、出荷する方法
- 知られざる工場内の「御法度・ルール」
- 働く人々のホンネ 向上は人でもっている!
- 知られざる半導体工場の秘密
- 「日の丸半導体」復活に向けての処方箋
「半導体製造装置・プロセスの概要を広く知りたい人」にオススメする1冊です。
各工程で使用される製造装置の原理を1つずつ解説しています。概略的なイラストを使用しており、初心者にも直感的にわかりやすい内容です。
この1冊を読み製造装置の概略を理解した後、気になった事柄は更に専門書で学ぶと良いでしょう。
- 半導体製造装置を取り巻く現情
- 半導体製造装置をファブから理解する
- 洗浄・乾燥装置
- イオン注入装置
- 熱処理装置
- リソグラフィー装置
- エッチング装置
- 成膜装置
- 平坦化(CMP)装置
- 検査・測定・解析装置
- 後工程装置
「半導体の基本を学習済みで、一歩先に進みたい中級者」にオススメする1冊です。
図が非常に多く、スライドで授業を受けるような気分で学習することが出来ます。
定性的な理解だけでなく、半導体の重要式もしっかりと掲載されていて、非常にバランスの良い一冊です。
- シリコン基板中の電子輸送
- PN接合
- MOSFETの動作を理解する
- バイポーラ素子
- 光デバイス
「パワー半導体って何のこと?」という疑問にやさしく答えてくれる1冊。パワー半導体のことを全く知らな人にオススメする本です。著者も明言していますが、可能な限り面倒な説明は省いた参考書になっています。
例えば、パワーデバイスの動作原理などはイラストを多用し、定性的なわかりやすい説明にとどめています。デバイス設計やプロセス開発に携わりたい人というよりは、パワー半導体というものをざっくりと概要的に知りたい方にオススメする本です。
半面、重要式やデバイスの動作原理を詳細に知りたい理系技術者には物足りたない一冊に感じることでしょう。
本書はあくまでもパワー半導体に焦点を当てているため、半導体の基本であるpn接合やトランジスタの動作原理は詳しく解説していません。初級技術者の方は、当サイトの半導体の基本やはじめての半導体-しくみと基本がよくわかる-を参照してからこの本を読むことをオススメします。
- パワー半導体の全貌を俯瞰する
- パワー半導体の基本と動作
- 各種パワー半導体動作と役割
- パワー半導体の用途と市場
- パワー半導体の分類
- パワー半導体プロセスの特徴
- パワー半導体用メーカの紹介
- シリコンパワー半導体の発展
- シリコンの限界に挑むSiCとGaN
- パワー半導体が拓く脱炭素時代
半導体材料の基本であるシリコンに着目した一冊。面方位や結晶欠陥などの基礎に加え、デバイス工程の熱処理時のウェーハ機械強度の影響、ナノトポグラフィなどSiウェーハ製造を幅広く網羅している貴重な参考書です。
実験事実を交えながら解説が進むため、Siウェーハ中の欠陥や不純物がデバイスプロセスでどのように影響するのかしっかりと理解でき、Siウェーハメーカーの方などにおすすめ。結晶欠陥について議論した本は多いですが、Siウェーハの研磨など加工に着目した本は少なく、名著と言えます。
一方、初版は2006年のため一部情報は古いですが、それでも十分読む価値はあります。
- シリコンとデバイスの概論
- 結晶欠陥とリーク電流
- ウェーハの機械的性質とプロセス
- ウェーハのトポグラフィとプロセス、デバイス
- 今後のウェーハ動向
半導体シリコンという材料に焦点を当てた専門書。単結晶シリコンの特性からエピ成長、熱酸化現象など、シリコンに携わる現象は全て網羅しています。
例えば、各ドーパントの偏析係数や固溶度等、論文データを多く引用しているので、疑問点があればリファレンスとして使用することが出来ます。引用も全て明記されており、元の論文を参照することも可能です。
材料の特性とデバイスの相関を意識した1冊で、材料メーカーからデバイスメーカーまで半導体に関わるすべての方にオススメできる名著です。
- 序論
- 単結晶の育成
- ウェーハ加工と洗浄
- 酸化膜と窒化膜
- 絶縁体上のシリコン層
- 結晶欠陥の解析
- 結晶欠陥の制御
- 結語:シリコン結晶工学の将来
2030 半導体の地政学 戦略物資を支配するのは誰か
- 経済安全保障の観点から「半導体」を紐解いたビジネス書
- 半導体を巡る各国の思惑を解説しており、日頃のニュースの理解度が高まる
- 半導体産業に関わる人なら一度は読みたい内容
半導体を経済安全保障上の最重要物資、時には敵国を苦しめる武器として捉え、国々が覇権を奪い合う国際政治ゲームを半導体を通して理解できる、貴重な一冊。
近年話題になっている、「世界中での半導体工場建設、中国に対するアメリカの半導体規制、日本のTSMC誘致について、各国の狙いはいったいどこにあるのかを、地政学的観点も含めて解説しており、日頃のニュースの理解も大幅に深まります。技術者のみならず、ビジネスマンにもおすすめです。
また、日本の半導体産業が再び輝くための戦略として、「光トランジスタ(IWON)」や「未来の社会を描くユーザー企業の想像力」、「消費電力を抑えた3Dチップ」など筆者の見解を述べており、日本の半導体技術者も勇気を貰える1冊にです。
「半導体を制する者が世界を制する」。小さな半導体チップを通した映画にも勝る世界のストーリーと、2030年の世界と日本の行く末を展望した貴重な内容です。
- 司令塔になったホワイトハウス
- バイデンのシリコン地図
- デカップリングは起きるか
- さまよう台風の目―台湾争奪戦
- 習近平の百年戦争
- デジタル三国志が始まる
- 日本再起動
- 隠れた主役
- 見えない防衛線
- 2030年への日本の戦略