アドバンテストの企業研究:売上・年収・特徴

会社概要

アドバンテスト 企業研究

アドバンテストは1954年に設立された、半導体製造装置メーカーです。

半導体製造の最終工程で必要な「半導体テスタ」に強みを持ち、テスタ市場シェア57%と世界第1位です。売上高は5602億円(2023年3月期)、年収1010万円の高収益企業です。

アドバンテストの求人情報

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エンジニア

沿革

アドバンテスト 企業研究

1954年、アドバンテストは「タケダ工業株式会社」として発足しました。1972年、国産初のLSIテストシステム・メモリテストシステムを発売し、半導体テスタの製造をスタートさせています。

1982年にはLSIテストシステム「T3340」を発売し、AT&T ベル研究所で採用され、世界的な大ヒットとなりました。1985年には世界トップシェアとなる23.3%を獲得し、アドバンテストに社名変更しています。

2023年現在、世界半導体市場の成長に合わせて過去最高益を達成し、テスタ世界シェア57%の世界トップ企業となりました。

主要事業:3つのセグメント

アドバンテスト 企業研究

アドバンテストの事業は大きく3つのセグメントで構成されています。

  1. 半導体・部品テストシステム事業部門
  2. SoC(System on Chip)用のテスタ、メモリ用のテスタを製造・販売する部門。

    ※半導体テスタとは、半導体デバイスに電気信号をなどを与え、出力される信号をリファレンスと比較することで、仕様通りに動作するか検査する装置

  3. メカトロニクス関連事業部門
  4. テストハンドラ、デバイスインターフェース、CD-SEMなど、半導体てすたの周辺機器を販売する事業です。

    ※テストハンドラとは、半導体後工程において、半導体パッケージをテストシステムに搬送し、温度を印加、テスト結果に従って半導体を仕分ける装置

  5. サービス他部門
  6. テスタ装置・テストシステムの保守/メンテナンスや、量産立ち上げのコンサルティングなど、付加価値の高いサービスを提供する部門。

    また、チップ単位ではなく、最終製品に組み込まれた状況と同様の環境下で半導体デバイスをテストする「システムレベルテスト」を実施。最終製品における歩留まり改善に向けたソリューションを提供する。

実際の製品ラインナップ例は以下の通りです。

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各セグメントの売上

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2021年度(2022年3月期)の各セグメント売上高を比較すると、売り上げの約7割を「半導体・部品てすとシステム事業具門」が占めています。すなわち、半導体検査装置(テスタ)がアドバンテストのメインの収益事業になっています。

半導体テストシステムとは

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半導体はナノメートルサイズの極めて微細な回路で作られ、高い周波数で動作します。微細な回路であり、製造工程中のごくわずかな要因で、断線や動作電圧、動作タイミングのバラツキといった不具合が生じます。そこで活躍するのが「テスト・システム」です。

半導体テストシステムの多くはモジュール構造を採用しています。モジュール構造とは、ボードやテストプログラム、デバイス・インターフェースを入れ替えることで、1台の装置で何種類もの半導体がテスト可能な方式です。

用途に合わせて数多くの種類を展開するSoCビジネスにおいて、モジュール構造による「テスト・システムの柔軟性」が、顧客のビジネス成功の原動力になっています。

半導体テストの手順

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半導体テストは以下の手順で実施されます。

  1. 設計データを基にテスト・プログラム(リファレンス)を作製
  2. 半導体の設計データから、正常動作した場合の信号を取得します。

  3. 搬送装置が半導体をデバイス・インターフェースにセット
  4. 搬送装置(テスト・ハンドラ)がテストする半導体をデバイス・インテ―フェースにセットします。デバイスインターフェースは、テストデバイスとテスト・システムを電気的に接続する器具です。

  5. 搬送装置が試験条件の温度を印加
  6. 実際の半導体デバイスは発熱や周囲環境温度により高温となるため、試験したい温度にデバイスを加熱します。

  7. テスト・システムがテスト信号を入力
  8. テストしたいデバイスにテストシステムが信号を入力します。

  9. 半導体の出力波形をリファレンスと照合し、良品/不良品を判定
  10. 設計データより得られたリファレンスの波形と、テストデバイスの波形を比較し、良品/不良品を判定します。

  11. 判定結果に従って、搬送装置が良品/不良品を分別
  12. 搬送装置(テスト・ハンドラ)が良品/不良品を分類します。

アドバンテストがテストする半導体

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アドバンテストがテスト対象とする半導体は多岐に渡ります。

  1. メモリ半導体
  2. データを記録する半導体。スマートフォン用やデータセンター用として需要が拡大している。データを高速で読み書きするDRAMや、電源無しでデータを長期間保持できるNANDフラッシュなどがある。

  3. HPCデバイス
  4. データサーバーやAIサーバーで大規模な演算を高速で行うために必要な、ハイパフォーマンスコンピューティング用の半導体。AIや機械学習の普及とともに、活況が続いている。

  5. 車載半導体
  6. 自動車に搭載される半導体。エンジンやバッテリーの制御、エアバックや衝突回避システムのセンサーなどに使用される。自動車の安全性に関わるため、高い品質・信頼性が求められ、テストの重要性も高い。

  7. アプリケーションプロセッサー
  8. スマートフォンの頭脳として働く半導体。CPUやGPU,NPUが1つのチップに集約されたSoC(System on Chip)として作られる。先端プロセスの採用により、テストの複雑化が最も進展している品種であり、テストシステムにも積極的な投資がなされる。

  9. パワーデバイス
  10. 直流・交流変換、電圧の調整など、電力の返還を行う半導体。電子機器はもちろんのこと、自動車や産業機器など幅広い用途に使用される。世界的な省エネ化や車の電動化(EV)の流れに従い、今後の市場拡大が期待される。

  11. RFデバイス
  12. 無線通信を担う半導体。スマートフォンや基地局に使用される。5G通信技術の本格化が控えており、テストへの期待も高まっている。

  13. ディスプレイ・ドライバ―IC
  14. スマートフォンやテレビなど、ディスプレイの発色や明るさをコントロールする半導体。ディスプレイ業界では有機ELやタッチセンサーなどの技術進化が進められており、テストも高度化している。

  15. CMOSイメージセンサー
  16. 画像を電気信号に変換する半導体。スマホのカメラの高画素化や多眼化、動画需要の伸びを背景に需要が急増している。扱うデータ量が増える西田外、データ処理の高速化対応が急ピッチに進展、テストシステムの性能向上ニーズも高まっている。

アドバンテストのテスタは「世の中で必要とされる半導体製品のほとんどをテストしている」といって差し支えないでしょう。

テスタ市場シェア

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2022年度(2023年3月期)のアドバンテストの市場シェアは57%と、世界第1位です。複雑で高い技術料が必要なSoCテスタのシェアは58%、メモリテスタのシェアは53%と、いずれも高いシェアを有しています。

今後も高シェアを維持できれば、半導体市場の需要拡大に合わせて、今後も増収・増益が期待できる企業です。

業績

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アドバンテストの売上高は5602億円と過去最高を記録しています(2023年3月期)。また、売上高成長率は18.7%(5年平均)と極めて高い成長率で推移しており、今後も業績の拡大が大いに期待できる企業です。

本業で稼ぐ力を示す営業利益も、1677億円(2023年3月期)と過去最高です。営業利益率は29.9%であり、日本を代表する高収益企業です。

アドバンテストの年収

アドバンテスト 企業研究

アドバンテストの年収は1010万円(2023年3月期)と、超高年収企業です。2022年度の比較では、電気企業業界246社中10位、全上場企業3736社中94位となっています。

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