ディスコの企業研究:売上・年収・求人
会社概要
株式会社ディスコ(DISCO)は半導体製造装置の製造・開発・販売を行う装置メーカーです。
半導体ウェーハの加工に特化しており、「Kiru・Kezuru・Migaku」を極めた、年収1329万円(2023年)の超高年収企業です。
ディスコの求人情報
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沿革
1937年、ディスコの前身である第一製砥所が設立され、砥石の製造・販売が開始されました。その後、1940年に有限会社として組織変更し、現在のディスコとしての歩みをスタートしています。
1968年には、超極薄の切断砥石である「ミクロンカット」の開発に成功しました。ダイシングソーに使用され、加工に特化した装置メーカーとしての第一歩となりました。
以降、1998年には300mmウェーハ対応のダイシングソー、グラインダー開発、2000年代にはTAIKOプロセス、KABRAプロセスといった独自の加工技術を次々と開発しています。
年表から、ウェーハ加工に関する新規技術を度々打ち出している、加工を極めた技術力の高い会社であることが分かります。
主要事業
ディスコの主要事業は
- 加工に特化した半導体製造装置の開発・製造・販売
- 加工ツールの製造・販売
の2点です。すなわち「半導体製造に必要不可欠な加工装置をつくる会社」です。
製造装置メーカーのため、ディスコの顧客は半導体・電子部品メーカーであり、今後の半導体市場の成長と共に、ディスコの売上・利益も増加していくことが期待出来ます。
ディスコが開発する装置の加工対象は「半導体ウェーハ」です。
半導体ウェーハは「半導体や電子部品」の材料となるウェーハであり、下記の様な種類があります。
- シリコン(Si)
- サファイア(Al2O3)
- ガリウムヒ素(GaAs)
- 窒化ガリウム(GaN)
- 炭化ケイ素(SiC)
半導体ウェーハにはこの他にも多数の種類がありますが、最終製品となるにはいずれも加工が必要であり、ディスコの技術適用範囲が広いと言えます。
ディスコの技術は以下の3つに代表されます。
ウェーハをチップ状に小さく切り分ける
ウェーハをμmオーダーまで薄く削る
ウェーハを鏡の様に磨く
いずれも、半導体の微細化に伴い、極めて微細かつ正確な加工が求められています。その中でも、ディスコの加工技術は極めて優れており、世界中の半導体メーカーが装置を採用しています。
半導体製造工程におけるディスコの製品
半導体は、極めて複雑な多数の工程を経て製造されます。
ディスコは
- ウェーハ製造工程
- 前工程
- 後工程
の、半導体材料~半導体製造工程の幅広い工程で製品を有しています。
ディスコ製品の活躍領域➀:Siウェーハ製造工程
Siウェーハとは、単結晶シリコンインゴットを薄い円盤状にした製品です。半導体製品のほとんどはSiウェーハを材料に作られています。
シリコンインゴットからスライスした円盤を平坦化させる際に、ディスコのグラインダが使用されています。
ディスコ製品の活躍領域➁:前工程
半導体製造における前工程とは、ウェーハ上に回路を形成し、半導体チップを作る工程のことです。
- 成膜
- フォトリソグラフィー
- イオン注入
- 平坦化
などの工程を含んでいます。
半導体チップを薄くする工程であるバックグラインディング工程でディスコのグラインダが使用されています。また、その後のダメージ層除去(ストレスリリース)にはポリッシャが使用されています。
ディスコ製品の活躍領域➂:後工程
後工程とは、ウェーハから半導体チップを切り出し、チップを固定。樹脂封入を行う組み立て工程です。
半導体チップを切り出す際や、モールディング(樹脂封止)後のパッケージ切り出し工程でディスコのダイシングソー(ダイサー)が活用されます。
半導体材料~半導体製造工程の幅広い工程でディスコの装置が活用されています。
業績
ディスコの売上高は2841億円(2023年)と、過去最高を達成しています。また、売上高成長率は17.9%(5年平均)と極めて高い成長率で推移しており、今後も業績の拡大が大いに期待できる企業です。
本業で稼ぐ力を示す営業利益も、1104億円(2023年)と過去最高です。営業利益率は38.8%と過去最高を更新。日本の製造業の中でもトップクラスの高収益企業です。
特徴:4つの事業分野で生み出すソリューション
ディスコの特徴として「4つの事業分野で生み出すトータルソリューション」が挙げられます。
4つの事業分野とは以下を指します。
- 精密加工ツール
- 精密加工装置
- アプリケーション技術
- サービス
砥石に代表される製品群。ブレード、ホイール、ポリッシングホイールなど、装置の切削消耗品を指す。数万種類の中から、顧客に応じた製品の選定・開発を行い、販売するビジネス。
「切る・削る・磨く」を行う半導体製造装置の製品群。ダイシングソー、グラインダ、レーザーソーなど、半導体製造に必要不可欠な装置を開発・販売するビジネス。
精密加工ツールと精密加工装置の何万もの組み合わせの中から、顧客に最適な技術を実証・提案するビジネス。
半導体製造装置納品後のアフターサービスや、装置の使い方などの研修サービスを提供するビジネス。販売した装置が保守・メンテ費用として永続的に利益を生む。
半導体という単一の業界に携わりながらも、事業分野を分散させることで、成長的かつ安定的に利益を生みだすことが可能であり、ディスコの大きな強みとなっている。
ディスコの年収
ディスコの年収は1329万円(2023年)と、超高年収企業です。2022年度の比較では、機械業界全232社中1位、全上場企業3736社中17位と、日本の年収トップ企業と言えるでしょう。
半導体/製造装置市場の成長性
半導体市場は2030年に100兆円を超える巨大市場に成長する見込みです。また、WFE市場(半導体製造装置市場)も、半導体市場と連動し、拡大の一途を辿ると予想されています。
半導体市場の成長に伴い、今後もディスコの増収・増益が期待できるでしょう。
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