トランジスタとは何か:特徴・役割・使用例
トランジスタとは?
トランジスタは「電気信号を増幅またはスイッチングする半導体素子」です。
トランジスタはパソコン・スマホ・テレビ・電子レンジなど、ほぼ全ての電化製品に使用されており、現代社会を支える素子です。
トランジスタ(transistor)は、「transfer(伝達)」と「resistor(抵抗)」を掛け合わせた造語です。
電流のON/OFFを制御する素子であり、ON時は電気を伝達させ、OFF時は抵抗として働くことからその名がつけられました。
トランジスタの用途
トランジスタは様々な所で使用されています。
- パソコン
- デジタルカメラ
- イルミネーション
パソコンでは、トランジスタによって電圧のON/OFFが制御され、それが0と1として扱われています。
この0と1の組み合わせで、すべての計算や処理が行われています。パソコン1台には100億個以上のトランジスタが使われています。
写真の明暗を感知するイメージセンサーには、光を電気信号に変換し、それを読み取るためのトランジスタが多数使われています。
イルミネーションでは、トランジスタを使ってLEDへの電流をON/OFF制御し、点滅(チカチカ)を実現しています。
トランジスタの役割:スイッチング・増幅・変換
トランジスタには大きく2つの役割があります。
- 増幅
- スイッチング
小さな入力信号(電流や電圧)を大きくする作用。
入力信号によって回路をON/OFFする作用。電流や電圧の流れを制御する
それぞれの作用を解説します。
信号の増幅作用
ここでは、トランジスタの中でも「BJT(バイポーラ接合トランジスタ)」を例にします。
信号の増幅作用は「ベースにわずかな電流を流すことで、コレクターエミッタ間に大きな電流を流すことが出来る作用」です。
言い換えれば、わずかな力で何倍もの力を持つ電流を制御できます。
スイッチング作用
以下はBJT(バイポーラ接合トランジスタ)の例です。
スイッチング作用とは「ベース電流の有無(または大きさ)によって、コレクター–エミッタ間の電流をON/OFF制御する作用」です。
ベース電流を流すと、コレクター–エミッタ間にも電流が流れます。一方、ベース電流を止めると、コレクター–エミッタ間の電流も止まります。
このように、ベース電流の流れを制御することで、電流が流れる状態(ON)と流れない状態(OFF)を作り出します。
このON/OFFの状態は、デジタル回路やコンピュータで「1(ON)」と「0(OFF)」として認識され、情報処理の基本単位となります。
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