太陽電池の種類と分類:シリコン系・化合物系・有機系
太陽電池の分類
太陽電池は大きく「シリコン系・化合物系・有機系」に分類されます(※材料での分類)。
- シリコン系
- 化合物系
- 有機系
シリコン(Si)を主原料とする太陽電池。最も一般的で耐久性・安定性に優れ、住宅や発電所など幅広く利用されています。
CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)やCdTe(カドミウム・テルル)などの化合物を用いた太陽電池。薄型・軽量で、建材一体型や宇宙・モバイル用途に利用されています。
有機分子や高分子を材料とする太陽電池。印刷技術による製造が可能で、軽くて曲げられるなど形状の自由度が高く、将来的な応用が期待されています。
それぞれの分類について、代表的な材料、変換効率、特徴、用途などを以下の表にまとめました。
項目 | シリコン系 | 化合物系 | 有機系 |
---|---|---|---|
主な材料 | 単結晶Si アモルファスSi | CIGS CdTe GaAs | ペロブスカイト 有機薄膜 |
変換効率 | 高 (20〜26%) | 中〜高 (10〜23%) | 中 (10〜18%) |
特徴 | 実績が豊富 耐久性が高い | 薄膜・軽量 フレキシブル対応可 | 印刷製造可 軽量 意匠性が高い |
主な用途 | 住宅、発電所など広範囲 | 建材一体型、携帯ソーラーなど | ウェアラブル、次世代デバイスなど |
なお、他にも、構造(単接合・多接合)、厚み、動作原理による分類も可能です。
シリコン系太陽電池
シリコン系太陽電池は「シリコン(Si)を材料に用いた太陽電池」です。高い変換効率と優れた耐久性を持つことから、現在最も普及しています。
シリコン系太陽電池の中にも以下のような種類があります。
- 単結晶シリコン
- 多結晶シリコン
- アモルファスシリコン
同じシリコン系でも変換効率やコストが異なるため、利用シーンに合わせて使い分ける必要があります。
化合物系太陽電池
化合物系太陽電池は「CIGSやCdTeなどの化合物を材料に用いた太陽電池」です。薄型・軽量で柔軟性があり、建材一体型やモバイル用途での採用が進んでいます。
化合物系太陽電池の中にも以下のような種類があります。
- CIGS(銅・インジウム・ガリウム・セレン)型
- CdTe(カドミウム・テルル)型
- その他(ガリウム砒素など)
この場合も、用途や製造コスト、性能特性が異なるため、目的に応じて選択されます。
有機系太陽電池
有機系太陽電池は「有機分子や高分子を材料に用いた太陽電池」です。印刷技術で製造可能で、軽量・柔軟性が高く、将来的な応用範囲の拡大が期待されています。
有機系太陽電池の中にも以下のような種類があります。
- 有機薄膜太陽電池(OPV)
- 有機無機ハイブリッド太陽電池(ペロブスカイトなど)
効率や安定性の課題は残りますが、軽さや形状の自由度を活かした新たな用途に向けて研究が進んでいます。