SUMCOの企業研究:売上・年収・特徴
会社概要
株式会社SUMCOは、半導体の材料となるシリコンウェーハを製造しているメーカーです。1999年に設立され、売上高4000億超、従業員数は1万人を超える大企業です。
競合の信越化学工業は複数の事業を有するのに対し、SUMCOはSiウェーハの専業メーカーです。最先端品のシェアと技術力に強みを持つ会社です。
SUMCOの求人情報
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沿革
SUMCOは三菱・住友の共同出資で設立された「シリコンユナイテッドマニュファクチュアリング」を母体に、住友金属工業と三菱マテリアルシリコンが営業譲渡・合併して誕生した企業です。
すなわち、三菱・住友系の財閥系企業であり、母体・支持基盤が非常に強固な企業と言えます。
主要事業
SUMCOの主要事業は半導体シリコンウェーハの製造です。
半導体デバイスのほとんどはシリコンウェーハを材料としており、SUMCOは世界の半導体産業を根幹から支える会社と言えるでしょう。
Siウェーハ製造工程は
- 単結晶シリコンインゴット製造工程
- シリコンウェーハ加工工程
の2つに大別されます。
単結晶引上げ工程は、巨大な単結晶シリコンインゴットを製造する工程です。単結晶Si製造では、高純度の多結晶シリコンを溶融し、種結晶を用いて徐々に成長させることで、巨大な単結晶シリコンインゴットを作製します。
ウェーハ加工工程は、単結晶シリコンインゴットを薄くスライスし、鏡面にする工程です。ラッピングやポリッシングを繰り返し、ウェーハ表面を極めて平坦・鏡面にします。
単結晶シリコンウェーハは極めて高い品質(平坦度や清浄度)が求められるため、非常に技術力を必要とする産業と言われています。
業績
SUMCOの売上高は4410億円(2022年)と、過去5年で最大を達成しています。また、売上高成長率は7.9%(5年平均)と、極めて高い成長率で推移しており、今後も業績の拡大が期待できます。
本業で稼ぐ力を示す営業利益も、1096億円(2022年)と過去5年で最高益となっています。営業利益率も24.9%と日本の製造業ではトップクラスに高く、非常に収益性の高いビジネスと言えます。
シェア

(経済産業省:半導体・デジタル産業戦略、各社のIR資料を基にSemi-journal作成。上記5社でシェア100%と仮定。)
SUMCOの世界シェアは25.0%(2021年)と、世界第2位です。1位は信越化学であり、日本企業で50%以上のシェアを有する業界です。
半導体材料市場は日本が強い業界であり、また、Siウェーハ製造は金額・技術力の面で参入障壁が高いため、SUMCOが急激にシェアを落とす可能性は高くないと予想されます。
Siウェーハの市場予測
シリコンウェーハの出荷面積は、1990年~2022年で約8倍、年平均成長率にして6.8%の高い成長率で急拡大しています。
半導体市場の拡大に合わせ、今後もシリコンウェーハ市場は拡大していくと予想されており、比例してSUMCOの売上高も増加していくことが期待されます。
特徴:先端品の高シェア
SUMCOは最先端分野において、50%以上の高いシェアを有する特徴があります(2022年アニュアルレポートより)。
最先端のロジック(CPUなど)分野では、シリコンウェーハの表面にSiをエピタキシャル成長させた、エピタキシャルウェーハが用いられています。最先端エピタキシャルウェーハ市場は今後5年、34%の高い成長率で急拡大するとされています。
最先端エピタキシャルウェーハ市場の伸びと、SUMCOのシェアによっては、今後さらにSUMCOが世界シェアを高める可能性もあり、今後の売上・利益増加が期待されます。
特徴:特許数
SUMCOはシリコンウェーハ業界の中で、トップの特許数を有します。技術難易度の高いSiウェーハ業界において、特許数に裏付けられた高い技術を有していると考えられます。
高い技術力と、特許による権利化、2つの差別化により、他社が新規参入しシェアを獲得することは容易ではないと予想されます。
年収
SUMCOの年収は679万円(2022年)と日本企業の中でも高年収と言えます。
SUMCOが属する金属製品業界の上場企業94社中、SUMCOは11位と高年収企業と言えます。平均年齢は42.8才(2022年)です。
製造拠点
SUMCOの製造拠点は主に九州地方に位置しています。
その他にも、北海道千歳市、山形県米沢市、秋田県秋田市にも製造拠点を有しています。海外にも関係会社が多数存在しています。
経済産業省による支援:新工場建設
最新トピックスとして、SUMCOの新工場建設への経済産業省による750億円の支援があります。
増え続ける半導体需要に対し、Siウェーハの安定供給体制構築を背景にしています。すなわち、半導体のサプライチェーンの中で日本が強みを発揮している材料業界をより強くする意図があると想像されます。
工場は2029年稼働と報道されており、今後も人材確保が進むと予測されます。
まとめ
- SUMCOはシリコンウェーハ製造の専業企業
- 2022年の売上高4410億、営業利益率24.9%と、業績好調。25%の高い世界シェアを誇る
- 高成長なSiウェハー市場に合わせ、業績拡大が期待できる
- 年収は679万円と、同業種94社中11位の高年収企業
- 特許数に裏付けされた高い技術力を有し、最先端エピウェーハ分野では50%を超えるシェア
- 新工場建設に伴い、積極的な人材採用・求人募集が続くと予測される
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