位相コントラスト(phase contrast)
結晶性の薄片試料をTEM・STEM測定した際に生じる、透過電子と散乱電子の位相差によるコントラスト。
薄片試料に電子線を照射すると、そのまま透過する透過電子と、試料の電子により散乱された散乱電子が観察される。散乱電子は振幅はそのままに、わずかに位相がずれた状態となります。
透過電子と散乱電子の位相を合わせるように焦点を調整すると、電子線の波の強め合いが起こりより明るくなる。一方、原子のないところでは散乱電子が発生しないため、位相差は発生しません。
まとめると、焦点調整による波の強め合いにより原子の存在部では白くなり、原子が存在しない部分では波の強め合いがなく黒く映るため、コントラストが付く。