散乱コントラスト(scattering contrast)
結晶性の薄片試料をTEM・STEM測定した際に、試料の影響を受けて透過電子密度が変わることによって生じるコントラスト。
透過電子の散乱が強い部分は電子密度が減少するため暗く、散乱が弱い部分は電子密度が高い為明るくうつる。原子の散乱能力は電子密度、言い換えれば原子番号が高い程大きくなる。つまり、重元素程暗くなる。
有機物や高分子材料といった、C・N・Oなどの軽元素は散乱が弱く、コントラストが付きにくい。その場合、重元素を含む選択染色によりコントラストを付与する。