裏面照射型CMOSイメージセンサーとは?原理と構造

CMOSイメージセンサーの種類

CMOSイメージセンサーは大きく2種類に分類されます。

  1. 表面照射型CMOSイメージセンサー(FI CIS)
  2. フォトダイオードの直上に配線層があるイメージセンサ―。配線により入射光が散乱され、感度が低下する。

  3. 裏面照射型CMOSイメージセンサー(BI CIS)
  4. フォトダイオードの直下に配線層があるイメージセンサ―。配線により入射光が散乱されず、高感度。

CMOSイメージセンサーとは?

表面照射型イメージセンサの構造

表面照射型イメージセンサ―のSEM像を示します。

イメージセンサーは、レンズで集めた光をフィルターで色ごとに分離し、フォトダイオードで電荷に変換・転送することで光を電気信号に変換しています。

  1. マイクロレンズ
  2. カラーフィルタ
  3. 配線(転送回路)
  4. フォトダイオード

が層状に積み重なっていることが確認できます。

光を感知するフォトダイオード直上に配線が存在しており、光が散乱されることから感度が低下する課題があります。

そこで開発されたのが裏面照射型CMOSイメージセンサー(BI CIS)です。

裏面照射型の構造

表面照射型と裏面照射型CISの断面SEM写真を見てみましょう

  1. 表面照射型CMOSイメージセンサー(FI CIS)
  2. フォトダイオードの直上に配線層が存在する構造。配線金属により入射光が反射され、フォトダイオードに到達する光が少なくなり、感度が低下します。

  3. 裏面照射型CMOSイメージセンサー(BI CIS)
  4. フォトダイオードの直下に配線層が存在する構造。配線金属により入射光が散乱されず、FI CISよりも高感度なCISです。

BS CISの登場により、一眼カメラなどのプロ用途カメラ市場へもCMOSイメージセンサーが普及しました。

メリット/デメリット

FI CISとBI CISのメリット/デメリットを表にまとめました。

表面照射型裏面照射型
感度×低い〇高い
ノイズ〇低い×高い
コスト〇安い×高い

BS CISは高感度ですが、ノイズが増えてしまう課題があります。また工程が複雑になりコストが上昇します。

ノイズが増える理由

裏面照射型では、Si基板(単結晶)とSi酸化膜(非晶質)の界面が2箇所に増えるため、ノイズが増加します。

Si(単結晶)とSiO2(非晶質)は構造が異なるため、界面に「ダングリングボンド」と呼ばれる未結合手が存在します。

ダングリングボンドは界面準位を形成し、フォトダイオードで発生した電子正孔対を捕獲するためノイズの原因となります。

表面照射型は界面が1箇所ですが、裏面照射型は界面が2箇所に増えるためノイズが増加します。

裏面照射型の製造工程

BI-CISは「Si基板にフォトダイオード・配線を形成した後、ひっくり返し、シリコン基板を研磨、カラーフィルター・オンチップレンズを乗せることで製造」されています。

フォトダイオードに入射光を導入するため、Si基板を薄くする必要があります。Si基板は赤外光に対し透明であり、また薄くすると短波長の光の透過率も向上します。

Si基板を均一かつ薄く研磨する工程が必要なため、裏面照射型は表面照射型よりも製造コストが上昇します。

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