フォトダイオードとは?デバイス構造と原理
フォトダイオードとは?
フォトダイオードは「光を電気に変換する半導体デバイス」です。
光を電気信号に変換することから、デジタルカメラ等のイメージセンサ―に使用されています。
イメージセンサ―は光を電気信号に変換するフォトダイオードと、電気信号を転送する回路で構成されています。フォトダイオードは光を検出する、いわば「半導体の目」です。
フォトダイオードの種類
フォトダイオードはデバイス構造によって3種類に分類されます。
- PN型フォトダイオード
- PIN型フォトダイオード
- アバランシェフォトダイオード
それぞれ構造と原理を解説していきます。
PN型フォトダイオードの動作原理
最もシンプルな構造のPN型フォトダイオードの動作原理を見ていきましょう。
PN型フォトダイオードは「p型半導体とn型半導体のpn接合を用いた、もっとも基本的なフォトダイオード」です。
フォトダイオードの表面層(p型領域)から入射した光は空乏層に到達し、電子正孔対を生成します。
空乏層内の内部電界により
- 電子:n型領域に移動
- 正孔:p型領域に移動
生成する電流(光電流)は光の強度に比例するため、電流値を観察することで光の強弱を検出することが出来ます。これが、フォトダイオードの原理です。
PIN型フォトダイオードの動作原理
PN型フォトダイオードよりも光電変換効率が高く、応答速度が速いデバイスとしてPIN型フォトダイオードがあります。
PIN型フォトダイオードは「p型半導体とn型半導体の間に真性半導体を挟んだ構造のフォトダイオード」です。
電子正孔対は空乏層に光が照射されることで生成するため、空乏層幅が広いほど光電変換効率が向上します。
pn接合フォトダイオードの場合、空乏層幅はドナー・アクセプター濃度によって決定されるため、空乏層幅の調整は難しいです。
そこで、p型・n型半導体の間にあらかじめ真性領域を挟み、空乏層領域を拡大した構造がPIN型フォトダイオードです。
アバランシェフォトダイオード
フォトダイオードの中で最も高感度なものがアバランシェフォトダイオードです。
アバランシェフォトダイオードは「アバランシェ降伏を利用した増幅機能を持つフォトダイオード」です。
微弱な光信号による微量のキャリアも増幅し大電流が流れる為、超高感度に光検出が可能です。
アバランシェフォトダイオードは表面側から順に
- p+型領域
- i(p-)領域
- p領域
- n+領域
p+・n+はB・P高濃度ドープ領域で、それぞれ負極・正極として機能します。
i領域は光を吸収し、電子正孔対を生成します。生成した電子・正孔対はp領域とn
アバランシェ降伏により、光によって生成する電子正孔対よりも多くの電子正孔対を生成することから、微弱な電流も増幅し大電流として観測することが可能です。