半導体製造を支える純水・超純水とは:定義・純度・電気抵抗率(比抵抗)

純水・超純水とは

半導体製造には純水・超純水が必要不可欠と言われています。では、純粋・超純水とはどのような物でしょうか。

水道水・純水・超純水の違いとは

水・超純水とは、一言でいえば「極めて純粋な水」です。不純物がほとんど含まれていない水を指します。

イメージとして、50mプール(約2,500トン)の水に耳かき一さじ(約0.1 g)の不純物しか含まないほど、精製した水が、半導体製造現場で毎日大量に使われています。

半導体製造工程(製造プロセス)のうち、約3-4割が純水を利用した洗浄工程とも言われており、水が非常に重要なのです。

純水・超純水の定義

「純水」と「超純水」は明確に区別されます。

種類 比抵抗の目安 規格・定義 主な用途
水道水 約 0.002 MΩ·cm 水道法 一般生活用途
純水 1〜15 MΩ·cm 明確な国際規格なし(慣用的呼称) 後工程(ダイシング冷却など)
超純水(UPW) 18.2 MΩ·cm(目標値) SEMI F063規格 前工程(洗浄・薬品希釈・CMP後洗浄)

※比抵抗は25℃における値

純水は「不純物を除去した水」の慣用的な総称であり、明確な国際規格はありません。一方、超純水はSEMI F063規格に基づき、比抵抗・金属イオン・微粒子など多項目が厳密に管理された水を指します。

なお、詳細は後述しますが、純粋な水の比抵抗理論値は「18.25 MΩ·cm」であり、これが超純水の管理目標値となっています。

比抵抗(電気抵抗率)とは

電気抵抗率・比抵抗の定義とは

水の純度を表す最も重要な指標が比抵抗(=電気抵抗率)です。物質の大きさや形によらない物性値で、物質・材料の電気の流れにくさを比較する際に用いられます。

一般的な水道水は電気を良く通すとして知られています。

水の導電性の起源:イオンによる導電

これは、水道水には多量のイオン(Na+、Cl、Ca2+など)が溶解しており、イオンが電荷を運ぶためです。

言い換えれば、水中にイオンが少ないほど電気を通しにくくなり、比抵抗(電気の通しにくさ)は大きくなります。すなわち、比抵抗が高いほど純粋な水に近いとして、比抵抗は水の純度を表す指標として用いられています。

水中の不純物量・イオン量と電気抵抗率・比抵抗
水の種類 比抵抗(MΩ·cm) イオン量のイメージ
水道水 約 0.002 カルシウム・塩素などのイオンが豊富
純水 1〜15 大部分のイオンを除去済み
超純水(UPW) 18.2(理論最大値) H2O由来のH+・OHのみ

※ 25℃における値。18.2 MΩ·cmはH₂Oの自己解離(Kw)から導かれる理論上の上限値

18.2 MΩ·cmは、25℃において水分子(H₂O)が自己解離して生じるH+とOHのみが存在する状態であり、理論上これ以上純粋にはなり得ない上限値です。

すなわち、理論的な比抵抗18.2 MΩ·cmを目標として、純水は製造・管理されます。

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