トランジスタとは:0と1を作り出すスイッチの原理

コンピューターの仕組み:1/0とON/OFF

これまで、コンピューターが情報を全て「0と1」の2進数に置き換え、トランジスタのON/OFFを1/0に対応させることで、計算していることを学びました。

トランジスタのON/OFFと1/0

例えば「A」というアルファベットは、コンピューター内部(2進数)では「01000001」という8桁の0と1の組み合わせで表されます。

1ビットと1バイトとは:データを表す単位

例えば、8個のトランジスタが並んでいる場合、0をOFF、1をONとして、それぞれのトランジスタの状態を「01000001」という並びに合わせて制御します。

具体的には、左から2番目と8番目のトランジスタだけを「ON(電圧あり)」にし、それ以外を「OFF(電圧なし)」にすることで、回路全体として「A」という情報を物理的に保持・認識しているのです。

一見複雑に見えるコンピューターの処理も、突き詰めれば「膨大な数のトランジスタが、決められたパターン通りに高速でON/OFFを切り替えているだけ」と言い換えることができます。

トランジスタの原理と構造:MOSFET

現代のコンピューターでスイッチの役割を担っているのが、「MOSFET(モスフェット)」と呼ばれるトランジスタです。

トランジスタの例:MOSFET

MOSFETは、Metal(金属)、Oxide(酸化物/絶縁膜)、Semiconductor(半導体)を積み重ねた「MOS構造」を持っています。ソース・ゲート・ドレインという3つの電極があり、ゲートに電圧をかけることで、ソースードレイン間の導通(電気の通り道)をコントロールします。

なお、MOSとは、Metal(金属)・Oxide(酸化物/絶縁膜)・Semiconductor(半導体)の頭文字を取ったもので、この三層構造がスイッチの心臓部になっています。

半導体のMOS構造とは

MOSFETにおけるスイッチング作用

ソース・ドレイン間に電圧をかけた状態で、ゲート電圧の有無によって何が起こるかを見てみましょう。

  • ゲート電圧を印加しない場合:OFF状態
  • チャネル(電流の通り道)が形成されず、電気が流れません。これがデジタル上の「0」に対応します。

  • ゲート電圧を印加した場合:ON状態
  • ゲートの下にチャネルが形成され、電気が流れるようになります。これがデジタル上の「1」に対応します。

このように、トランジスタはゲートにかける電圧が「閾値(しきいち)」という基準を超えた瞬間に、スイッチが入る仕組みになっています。

MOSFETとは:動作原理・構造・応用例

トランジスタ(ON/OFF)が情報(1/0)に

デジタル回路では、このスイッチの状態をシンプルに数値へ置き換えて扱います。

トランジスタによるスイッチング機能

デジタル回路では、このスイッチの状態をシンプルに数値へ置き換えて扱います。

  • ON(電流が流れる)= 1
  • OFF(電流が流れない)= 0

すなわち、トランジスタという極小のスイッチが1秒間に数億回というスピードでON/OFFを繰り返すことで、私たちは動画を見たり、AIを動かしたりすることができるのです。

この極小のスイッチが1秒間に数億回、数ギガヘルツという猛烈なスピードでON/OFFを繰り返すことで、私たちは複雑な計算を行ったり、最新のAIを動かしたりすることができるのです。

では、この「0と1」を組み合わせて、コンピューターはどうやって「足し算」などの高度な計算を実現しているのでしょうか?次回は、トランジスタを組み合わせた「論理回路」の仕組みに迫ります。

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