シリコンの結晶構造:ダイヤモンド構造と原子密度の算出

半導体の材料:シリコン

スマホや家電など、我々の生活になくてはならない半導体。その半導体の材料として最も使用されているのが「シリコン」です。

シリコンを知ることは半導体を知ることです。まずは基礎である結晶構造を学びましょう。

半導体の基本

シリコン結晶の構造

シリコン 結晶構造

シリコン結晶は「ダイヤモンド構造」と呼ばれる結晶構造を有します。

ダイヤモンド構造をすんなりと理解することは難しいですが、面心立方格子(fcc)をベースに考えると理解しやすくなります。

面心立方格子からダイヤモンド構造まで

ダイヤモンド構造は面心立方格子(fcc)を2つ重ねた構造です。成り立ちを詳しく見て行きましょう。

面心立方格子とは、結晶格子の各頂点と各面の中心に原子を配置した結晶構造です。2つの面心立方格子を、対角線上に1/4ずらして配置することで、ダイヤモンド構造が完成します。

すべてのシリコン原子は4個の価電子を持ち、それぞれのSi原子は近接する4つのSi原子と共有結合を形成し、正四面体構造を取っています。

単位格子中には合計で8つの原子(1×4個+1/2×6個+1/8×8個)が含まれています。

シリコンの原子密度

シリコン結晶を扱うに当たり頻繁に使う定数が、単位体積当たりの原子数密度(原子密度)です。例えば、Si中のドーパント濃度は原子密度で表します。

シリコンの原子密度は5.0×1022[個/cm3]です。算出式は以下の通りです。

単位体積当たりの原子数密度na(単位胞に含まれる原子の数)/(単位胞の体積)で表される。

単位胞に含まれる原子の数は8個、単位胞の1辺の長さは5.43095Åなので

$$\tag{1}Siの原子密度 = \frac{8}{(5.43095)^3} =5.0 \times 10^{22} [個/cm^3]$$

コメント

  1. 匿名 より:

    4*1 + 1/2*6 + 1/8*4 は7.5個では?
    1/8の数は8のような気がします
    検討のほどよろしくお願いします

    1. semi-journal より:

      コメントありがとうございます。
      修正しました。

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