【CCD・CMOSの違い】イメージセンサの種類と動作原理
イメージセンサの種類
イメージセンサーは信号の転送方式によりCCDとCMOSに大別されます。
- CCD
- CMOS
フォトダイオードで生成された電荷を垂直伝送路(垂直CCD)と水平伝送路(水平CCD)で転送する方式のイメージセンサー。
電荷はバケツリレー方式で転送されます。転送された電荷は増幅器で電圧に変換され出力されます。
フォトダイオードで生成された電荷を各画素の増幅器で電圧に変換した後、各行列のスイッチにより電圧を転送・出力するイメージセンサー。
スイッチのON・OFFで任意の画素のみデータを読み出すことが出来ます。
CCDの動作原理
CCDは電荷を「バケツリレー方式」で転送します。実際の動作原理は下記の通りです。
2.電荷の垂直伝送路への転送
MOSFETのゲートをONとし、電荷を垂直伝送路に流し込みます。
CCDの動作原理
CMOSは画素ごとに電荷を電圧に変換・増幅した後、各画素・回路のスイッチにより転送します。いわば「信号の直送方式」です。
読み出したい画素のみスイッチをONにすればよいので、消費電力が小さく高速読み出しが可能です。
CCD・CMOSイメージセンサの特徴と違い
CCD | CMOS | |
---|---|---|
感度 | 〇高い | ×低い |
画質 | ◎高画質 | 〇高画質 |
消費電力 | ×高い | 〇低い |
高速撮影 | ×困難 | 〇容易 |
集積性 | ×困難 | 〇容易 |
コスト | ×高い | 〇安い |
感度
CMOSはフォトダイオード上の配線が3層ありますが、CCDは1層で入射光が遮られないため、CCDの感度はCMOSの2倍程度と言われています。しかし近年では、BSI型CMOSセンサーの登場により、CMOSの感度はCCD並みに向上しています。
画質
CCDは全画素に対し1つの増幅器を使用しますが、CMOSの場合には各画素ごとの増幅器・処理回路を使用します。増幅器・処理回路にはばらつきがあるため、出力された信号もばらつきを持つため、CCDと比較して画質が低下します。
消費電力
CCDはバケツリレー方式で電荷を転送しています。転送には各画素のゲート電圧を順番に制御する必要があるため、消費電力が大きくなります。一方、CMOSはスイッチのON/OFFで電圧を読み出しています。常にゲート電圧を使用するCCDとは異なり、スイッチング時のみ電力を消費するため、低電力です。
高速撮影(フレームレート)
CCDは電荷のバケツリレー方式のため、電荷の転送・読み出しには時間がかかります。一方、CMOSはスイッチングで電圧を読み取るため、高速撮影が可能です。
集積性
CMOSは「システム・オン・チップ」が可能です。パソコンのCPUなどと同じプロセスで製造可能なため、フォトダイオードや増幅器、転送用の回路を1つのチップとして製造することが可能であり、高い集積性があります。
コスト
CMOSはフォトダイオード~回路形成まで、類似のプロセスで集積可能なため製造工程がシンプルです。そのため、より安価にセンサーを作成可能です。
前の講座
次の講座