【LELE・SADP・SAQP】マルチパターニングとは?

マルチパターニングとは?

マルチパターニングは「フォトリソグラフィー(露光)による、半導体の微細化を進める技術の総称」です。

微細化を進める技術は多数ありますが、マルチパターニングという言葉は以下を指すことが多いです

  1. LELE(Litho-etch Litho-etch)
  2. SADP(Self Aligned Double Patterning)
  3. SAQP(Self Aligned Quadrable Patterning)

以下1つずつ説明していきます。

LELEとは?

LELE リソエッチ

LELEは「露光とエッチングを2度繰り返すことにより、1回の露光では実現できない微細な寸法のパターンを刻む方法」です。

LELEはLitho-Etch Litho-Etchの略で、原理は以下の通りです。

  1. 第1露光
  2. マスクを用いウェーハに露光します。

  3. 現像➀
  4. レジストの非露光部を除去します。

  5. エッチング
  6. レジストをマスクとしてエッチングを行います。その後、レジストを除去します。

  7. 第2露光
  8. レジストを塗布した後、2回目の露光を行います。1回目の露光とわずかに位置をずらします。

  9. 現像➁
  10. レジストの非露光部を除去します。

  11. エッチング
  12. レジストをマスクとし基板をエッチングし、パターンを形成します。

LELEでは1度の露光では得られない解像度を、2度のマスク・露光に分けることで達成します。

1度目の露光と2度目の露光の「位置精度・パターン重ね合わせ」が非常に重要な技術になっています。

SADPとは?

SADP ダブルパターニング

SADPとは「露光により形成したパターンに成膜・エッチングすることで、パターンの密度を2倍にする技術」です。

SADPの原理は以下の通りです。

  1. 露光・現像
  2. 各種膜を備えたウェーハに露光・現像を行い、回路を刻むためのマスク(レジスト)を形成します。

  3. ハードマスクのエッチング
  4. ハードマスクをエッチングし、パターンを形成します。このパターンが芯材となります。

  5. 側壁成膜
  6. パターンに対し均一な薄膜を形成します。

  7. 側壁エッチバック
  8. 側壁以外の部分をエッチングにより除去します。

  9. ハードマスク除去
  10. 芯材として使用したハードマスクをエッチングにより除去します。

  11. エッチング
  12. 側壁をマスクとし、被エッチング膜をエッチングすることでパターンが刻まれます。側壁も同時に除去します。

最初の露光で形成した2本のパターンが、最終的に4本に増えていることがわかります。これがSADPによるパターン微細化の原理です。

SAQPとは?

SAQP パターニング

SAQPは「SADPを2度繰り返すことで、元のパターンの4倍の密度でパターンを形成する手法」です。

SAQPはSelf-Aligned Quadrable Patterningの略で、原理はSADPと全く同じです。SADPで形成した、元の2倍のパターンに対し側壁を形成・エッチングすることで、もとのパターンの4倍のパターンを形成します。

パターンのピッチは元のパターンの1/4になります。

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