【LELE・SADP・SAQP】マルチパターニングとは?
マルチパターニングとは?
マルチパターニングは「フォトリソグラフィー(露光)による、半導体の微細化を進める技術の総称」です。
微細化を進める技術は多数ありますが、マルチパターニングという言葉は以下を指すことが多いです
- LELE(Litho-etch Litho-etch)
- SADP(Self Aligned Double Patterning)
- SAQP(Self Aligned Quadrable Patterning)
以下1つずつ説明していきます。
LELEとは?
LELEは「露光とエッチングを2度繰り返すことにより、1回の露光では実現できない微細な寸法のパターンを刻む方法」です。
LELEはLitho-Etch Litho-Etchの略で、原理は以下の通りです。
- 第1露光
- 現像➀
- エッチング
- 第2露光
- 現像➁
- エッチング
マスクを用いウェーハに露光します。
レジストの非露光部を除去します。
レジストをマスクとしてエッチングを行います。その後、レジストを除去します。
レジストを塗布した後、2回目の露光を行います。1回目の露光とわずかに位置をずらします。
レジストの非露光部を除去します。
レジストをマスクとし基板をエッチングし、パターンを形成します。
LELEでは1度の露光では得られない解像度を、2度のマスク・露光に分けることで達成します。
1度目の露光と2度目の露光の「位置精度・パターン重ね合わせ」が非常に重要な技術になっています。
SADPとは?
SADPとは「露光により形成したパターンに成膜・エッチングすることで、パターンの密度を2倍にする技術」です。
SADPの原理は以下の通りです。
- 露光・現像
- ハードマスクのエッチング
- 側壁成膜
- 側壁エッチバック
- ハードマスク除去
- エッチング
各種膜を備えたウェーハに露光・現像を行い、回路を刻むためのマスク(レジスト)を形成します。
ハードマスクをエッチングし、パターンを形成します。このパターンが芯材となります。
パターンに対し均一な薄膜を形成します。
側壁以外の部分をエッチングにより除去します。
芯材として使用したハードマスクをエッチングにより除去します。
側壁をマスクとし、被エッチング膜をエッチングすることでパターンが刻まれます。側壁も同時に除去します。
最初の露光で形成した2本のパターンが、最終的に4本に増えていることがわかります。これがSADPによるパターン微細化の原理です。
SAQPとは?
SAQPは「SADPを2度繰り返すことで、元のパターンの4倍の密度でパターンを形成する手法」です。
SAQPはSelf-Aligned Quadrable Patterningの略で、原理はSADPと全く同じです。SADPで形成した、元の2倍のパターンに対し側壁を形成・エッチングすることで、もとのパターンの4倍のパターンを形成します。
パターンのピッチは元のパターンの1/4になります。