開口数(NA)とは何か?わかりやすく図解
開口数とは?
NA=n sinθ
- NA:開口数(Numerical Aperture)
- n:屈折率
- θ:物体から対物レンズに入射する光の最大角度
開口数は「NA=n sinθで表されるレンズの分解能を求めるための指標」です。
開口数が大きいほどレンズの性能が高いということになります。と言われてもピンとこないと思うので、以下わかりやすく解説します。
開口数が大きいとどうなる?
高NAのレンズを用いると、大きく以下の2点が起こります。
- 開口数が大きいとたくさんの光を集められる
- 開口数が大きいとより小さい点に光を絞ることができる
開口数が大きいとたくさんの光を集められる
開口数NA=n sinθという式からわかるように、開口数が大きい=nかθが大きいことになります。nは媒質(例えば大気、水の屈折率)によって決定するため簡単には変えられません。つまり、開口数が大きい=θが大きいと考えることが出来ます。
下図は「焦点が同じで、開口数が異なるレンズ」の模式図です。
図から明らかなように、開口数が大きい程より広い範囲から光を集めることが出来ています。
つまり、開口数が大きいほど「明るく・高感度」に露光(カメラの場合は撮影)することが出来ます。
小さい点に光を集めることが出来る
レンズを通して極小のビーム光を入射させると、対物レンズが全くの無収差であっても、光の回折現象によってある大きさを持ったスポットになります。スポット径は以下の式で計算可能です。
スポット径(φ)=1.22×λ/NA
- λ:光源の波長
- NA:開口数
上式から、開口数が大きいレンズを通った光ほど、より小さなスポットを形成することができます。