【レジスト剥離】アッシング(灰化)とは?
アッシングとは?
アッシングとはレジスト剥離法の一種で「有機物のレジストを分解・除去する工程」です。
日本語で灰化(はいか)と言い、レジストを酸化し灰にして取り除くことを意味します。
レジスト剥離には溶液を使用するウェットプロセスと、溶液を使用しないドライプロセスがあります。ドライプロセスにはプラズマアッシングとオゾンアッシングがあります。
- プラズマアッシング
- オゾンアッシング
- ウェットプロセス
プラズマ化したガスとレジストを反応させることで、気体として除去する方法です。通常は酸素プラズマが用いられ、有機物であるレジストと反応するとCO2・H2Oがガスとして生成するため気体として除去されます。
オゾンの分解で生成した酸素原子とレジストを反応させることで、レジストを気体として除去する方法です。プラズマとは違い、荷電粒子が存在しないため、基板へのダメージが抑えられます。
レジスト剥離液にウェーハを浸すことで、レジストを分解・除去する方法です。洗浄工程同様、バッチ式で処理することで生産性の向上が見込めます。
プラズマアッシングの原理
プラズマアッシングは「酸素をプラズマ化し、生成した酸素ラジカルでレジストをCO2・H2Oガスとして揮発除去する方法」です。
真空チャンバー内に酸素を導入し、マイクロ波または高周波(RF)を印加すると、酸素ラジカルや酸素イオン等の酸素プラズマが生成します。
O2→2O*
生成した酸素プラズマが有機物のレジスト(CxHy)と反応しCO2・H2Oが生成します。
O*+CxHy→xCO2↑+y/2 H2O↑
生成したCO2・H2Oはガスとして除去され、レジストのアッシングが進行します。
チャージアップ
一方、酸素プラズマ発生時には、酸素ラジカルの他に酸素イオンO+や電子e-が同時に生成します。
O2→2O*+O++e-
酸素イオンや電子の様な荷電粒子はウェーハ上のデバイスを帯電させます(=チャージアップ)。チャージアップは素子に電位差を生じ、素子の破壊につながるため可能な限り減らす必要があります。
オゾンアッシングの原理
オゾンアッシングは「オゾンO3に紫外線等の光を照射し酸素ラジカルO*を発生させ、レジストとラジカルの反応でレジストをガスとして揮発除去する方法」です。
反応メカニズムはプラズマアッシング同じです。
O2→2O*
O*+CxHy→xCO2↑+y/2 H2O↑
オゾンアッシングは光照射により酸素ラジカルO*のみが発生し、酸素イオンO+や電子e-などの荷電粒子が存在しないため、ウェーハに与えるダメージが小さい特徴があります。
加えて、紫外線はレジストにも照射され、レジストの化学結合が切断されアッシングが促進されるというメリットもあります。
ウェットプロセス
ウェットプロセスは「レジスト剥離液にウェーハを浸漬することで、レジストを溶解・除去する方法」です。
バッチ式であれば、複数枚のウェーハを同時に処理できるため生産性が高いというメリットがあります。